私の【都民の意見を聴く会】の公述内容
私の【都民の意見を聴く会】の公述内容を公開します。
但し、下記内容は公述時間15分と定められた時間内で公述できる内容に絞っています。
GLP昭島プロジェクトは問題だらけで、市民の社会生活や環境悪化についての配慮は全くないと言っても過言ではありません。
限られた内容しか話せませんでしたので、その他の問題については別の機会に改めてご報告致します。(以下公述内容)
GLP昭島プロジェクトの評価書案に対し都民から多くの意見が出された理由は、あまりにも多くの問題が散見されたからです。
その問題点について、幾つかの視点から述べさせて頂きます。
1.最初に、景観に係る問題について三つの視点からお話申し上げます。
ひとつは、GLPが市民説明会で示した説明図についてです。
GLPのデザイン図は空などに馴染みやすい淡いブルーで描くと共に、
- 物流棟1の高さ45mは、高さ35mのデータセンターより低く見えます。
- そして南側の団地:高さ33mの約1.5倍もありますが、そのようは見えません。
- 物流棟2の高さは55mですが、隣の代官山緑地の木々よりも低く
- 且つ、奥のデータセンター:35mより低く見えます
このGLPが示した図は市民の印象操作を狙ったデザインであり、市民の中には大きな圧迫感を感じないとの印象を持った方が多くおられました。
そこで、Google Earth で鳥観図を作成してみました。
GLPが示した図とは全くイメージが異なります。
次に、つつじが丘団地の前に立つ物流棟1の評価の問題についてです。
ところでGLPは評価書案で、次のように書いています。GLPが撮った建設前の写真とその評価は「現在ある防球ネットは網状で、奥には緑と、木々の奥には青空も眺められ、ゴルフ場特有のスカイラインを形成し、全く圧迫感なく、青空が広がっています。」と評し、
完成後は建物が、空を大きくふさぐことになりますが、建物が淡いブルーで書き込まれているため、圧迫感を感じない フォトモンタージュになっています。
また完成前と完成後の写真には、意図的なのか、団地が映り込まない位置で評価し「防球ネットの代わりに都市的な景観構成要素が現況の眺望景観に加わる」と評価しています。団地の前に高い壁と、圧迫感がある状況の説明を求めても、GLPは一切応えず、フォトモンタージュと、天空写真をもって「景観に問題は無い」といいます。要は、環境アセスが終われば、どうとでもなると思っているとしか考えられません。
目の前に壁ができることで、緑に覆われた、心落ち着く静寂な環境が奪われてしまい、 心理的影響が住民に大きなストレスを与えてしまいます。
次に、計画地北側の住宅からの景観評価についてです
北側住宅の景観を評価したフォトモンタージュは、広い公園の前の道路からの眺望ですが、建物が右に映りこむ位置で作成し、淡いブルーで描き込まれ、圧迫感をあまり感じません。
正面から建物が映り込むような形で評価されれば、如何に大きく青空が奪われてしまうのか、スカイラインがどれだけ破壊されるのかが良くわかると思いますが、一切そのような形での評価はありません。
そこで、提出された資料を少し加工してみました。
「樹木等を可能な限り移植して、視野に占める建築物の割合を軽減し、緑と調和した眺望景観になる」としています。
その為なのか、フォトモンタージュは、あまり目立たないように、建物を淡いブルーで描き、木を挿入したりています。
それで、元の景観に、建物を描き込んでみました。
遠くまで広がる青空が失われ、突然、建物が目の前をふさぎます。
但し、ブルーではどの程度青空が失われるかが分かり辛いので、建物を黒く塗ってみました。
失われる青空の大きさと、圧迫感がよくわかります。
計画地北側は大半が低層住宅で、近年、西武立川駅近傍の地区開発により、地区計画も進んできましたが、玉川上水景観基本軸に従い、玉川上水中心から100mの範囲は、天空写真に映り込むマンションも15mほどの高さ制限を受けています。
次に、富士山の眺望の問題です。
GLPは、「一般的に自由に人が立ち入ることが困難な建物
屋上等は代表的な眺望地点ではない」と言い問題ないといいますが、西武立川駅では富士山がきれいに見えるポイントとして、ホームで眺望の案内も行っており、誰でも立ち入ることは可能です。
建築物の高さを低くすることの検討を提案しても一切聞く耳を持ちません。
次は、玉川上水景観基本軸からの問題です
GLP計画は玉川上水景観基本軸の概念を逸脱し、玉川上水の植生の破壊につながります。
景観基本軸では、玉川上水中心から左右100mの範囲に於いて、建物の高さは立木の高さを超えないように配慮することが求められています。
問題は、この玉川上水景観基本軸に定められた基本理念を曲げて、眺望点の解釈とスカイラインの解釈を独自の視点から変更しているところです。
本来、玉川上水中心から100mは立木の高さを越えないとした場合、35mの建物は100m以上離さなければなりません。
ところがGLPは27mのセットバックをするので景観に大きな影響はないと言います。
この場合、建物を見る角度は52度以上となり、仰ぎ見なければなりません。
52度とはどの位の角度でしょう。スキー場で45度の傾斜を始めてみると、崖の上に立っているように見える、それ以上の角度を仰ぎ見ることになります。
全く勝手な評価方法を住民に押付け、快適な生活を奪おうとしています。
それでは建物の高さや位置はどのように決めれば良いのでしょう。
見上げるような角度ではなく、木々の根元まで陽が届くように、冬至の南中高度31.6度で斜線は引ける高さ、若しくは建物のセットバックの距離を決める必要があります。
計算では、35mのデータセンターの場合は57m以上セットバックしなければ、玉川上水周辺の木々の根元まで陽が届きませんので、このまま実行されると玉川上水周辺の植生に大きな影響が与えられることになります。
GLPの解釈は「玉川上水景観基本軸」を軽視するばかりか、今後の東京都の景観条例の解釈にも大きな影響を与える前例となりますので厳しく制限を設けるべきと存じます。
2.次に、GLPの計測データと交通騒音の環境基準への解釈の問題についてです。
交通騒音に係る調査結果を分かり易くするため、調査ポイントごとに
現状で環境基準を上回っている箇所は、赤〇
既に環境基準近くで、車両増加により環境基準を上回る箇所は、桃〇
車両増加が有っても環境基準を下回る箇所は、青〇 で表示しています。
現在、既に環境基準を越えているにも拘らず、要請限度を越えていないので問題はないとしています。
この要請限度とは、騒音問題が発生した時に取り締まるための限度として使うものです。
自らはアイドリングストップだけで、他になんら対策の検討もせず、限界の騒音を住民に押し付けています。 私は、
●EV車両化による騒音の低減
●交通量の削減
●低騒音塗装による騒音軽減
●歩道の拡充整備と空間確保 等々、
9項目にわたる提案を致しましたが、これを検討した痕跡もありません。
また、測定データを有効評価せず、対策もせず住民に押付けています。
それは、時間率騒音レベルの評価:Lamax の考慮です。
一般的な評価では計測値の上下の一定の値を省くかもしれませんが、走行ルートは高齢者も多い地域です。
高齢者の睡眠は人にもよりますが、社会活動から遠ざかり、日中の活動量が低下するために、必要な睡眠の量も少なくなってくる と言う傾向が見られ、日中に傾眠傾向が見られたり、睡眠深度も浅くなったりするため、突発的な騒音は目覚めを誘発するという問題につながります。
そしてこれが続くことで睡眠障害を誘発することにもつながりますので、しっかりとした対策が講じられなければなりません。
本来は福祉施設がある場所は、環境基本法の環境基準 AA地区(療養施設や社会福祉施設がある地域)の環境基準
昼間:50デシベル以下
夜間:40デシベル以下
で 評価すべきと思います。
GLPのやり方は、全て住民に我慢しろという内容になっています。
3.次はオオタカの住処の消失についてです。
GLPは、本種の主な生息環境である樹林の大部分が消失すると言いながら、消失部分を尋ねると「消失する大部分とは、主に昭和の森ゴルフコースとして利用されていた残存・植栽樹群や人工草地」との回答でした。
然しこれは、間違いで、図書にはこのように書かれています。
「本種の主な生息環境である樹林の大部分が消失。営巣地である代官山緑地は改変しないが、代官山緑地の西側に隣接する樹林地の一部が改変され、営巣中心域が縮小される」と書かれており、消失する一番大きな場所は代官山西側に伸びる樹林です。
これは、オオタカの営巣環境の破壊であり、二度とオオタカが生息できない環境を作ることになります。
GLPが発行するSustainability Report の中で 30by30 の活動に触れ、生態系がもたらす様々な恩恵の重要性を認識し、生物多様性の保全に貢献するとありますが、これがそのような企業が取る行動とは考えられません。 次に、
4.GLPが提案するアンダーパスについてです
アンダーパスで北側公園に動物たちが移動できるということは、逆に犬などの侵入を容易に許すことになり、代官山緑地の生態系を破壊することになります。
アンダーパスを実施するなら、北側の公園の「人と自然との触れ合い」 を見直し、人や動物が侵入できないという、エリアの制限が必要です。
5.次に、見解書・環境影響評価書案の評価についてです
見解書の見解には、「評価審議会委員による専門的立場からの審査を踏まえ」との表現が 252ヵ所も記載され、専門家の意見が無ければ改善しないという見解は、審査委員に責任を転嫁するばかりか、自らの改善意思を放棄し、専門家に責任を押し付け、敷いてはこの委員会の責任者である都知事までにも責任を転嫁しており、指摘できるなら指摘して下さいというこの傲慢な態度が、評価書案・見解書の内容に表れ、それが問題だらけなのではないでしょうか。
これは、もう、評価書案とはいえず、見解書とも言えない内容ではないかと思いますので、今一度評価書案の段階からやり直す必要があるのではないでしょうか。
そして最後のお願いです。
6.東京都 環境影響評価条例の目的は
【都民の健康で快適な生活を確保する】ことです。
環境評価の項目にはありませんが、交通量の一切の削減計画を示さず、自社の利益のみを追求し、住民に負担を強いるGLPから、子供達の命をお救い下さい。
現在、自転車通学の子供達の事故は増加中で、GLPが走行する市内の道は、片側1車線で自転車道路となっていても、とても狭くてトラックが横に来ると怖いだけではなく大変危険です。
発生集中交通量は 11,600台、大型車が7,060台 で 60.9% も占めています。
これで事故が起こらないわけが有りません。
ここで大きな問題は、GLPは車両区分を㈶日本交通管理技術協会の【交通管制マニュアル】 に基づくとし、発生集中交通量は11,600台で同じですが、大型車は2,200台と評価し、先ほどの台数から大型車は4,860台も少なく見積もっています。
これは、2トンロングや4トン車両などの大型車を、普通車と定義することで、市内の多くの道を走り回ることができる環境作りと、渋滞評価を少なく見積もるためではないかと推測しています。
ところで、今申し上げました車両区分を定義する【交通管制マニュアル】ですが、同財団に確認致しましたが、そのような名前のマニュアルはないとのことです。
何かの間違いだとは思いますが、環境影響評価条例における評価書案・見解書に記載しているマニュアルが存在していないことは、評価書案・見解書の位置づけをおとしめる行為ではないかと思います。
最後に、
これだけ問題がある図書ですが、今日の口述が終わると、住民として意見を述べる機会もありません。
環境影響評価審議会 委員皆様からのGLPへのご指導と、出来うるならば、改めての環境影響評価書案の再提出のご指示をお願い申し上げ、最後とさせて頂きます。
長々と時間を頂戴し誠に有難うございました。
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