GLPの交通シミュレーション手法について考える_1

何故、GLPは交通シミュレーションの手法として、「動的シミュレーション」は行わず「静的シミュレーション」を実施すると言ったのでしょう。

 何故このような疑問に至ったのかという理由は、

  • 動的シミュレーションという言葉を私は聞いたことがあるが、静的シミュレーションという言葉は聞いたことが無い。どのような方法なのだろうか?
  • 我々市民(素人)に分かりやすい方法はどちらなのだろうか
  • GLPは交通問題を市民に分かってもらおうとしているのだろうか

この三つの疑問が最初に頭に浮かんだからです。

そして次に

GLPの説明資料「『交通計画(安全・交通負荷)について 発生交通集中量の配分比』(GLP資料42ページ)の説明で、資料通りの配分比で計画しています。」と説明がありました。

まるでこのように配分すれば問題が無いような説明でしたが、次の疑問が湧いてきました。

  • 果たしてGLPの説明は信用できるのだろうか?
  • 説明を鵜呑みにして大丈夫なのだろうか?
  • 説明のために帳尻を合わせた配分比になっているのではないだろうか?

何故なら、最近のカーナビでは渋滞情報に基づき最適ルートを案内します。
同様に熟練の運転手なら空いていると思うルートを取るのが当たり前なのではないだろうか?と思ったからです。

GLPが走行路線を指定し守らせると言っていてもそれを守るとは到底思えません。

そうすると、その時々の都合(渋滞状況)に合わせて運転手が走行ルートを選ぶのであれば、配分は変わってしまうのではないだろうか。そうなれば、正解の回答は複数あるはずなのに、示されたのは一つだけなのは何故だろうか。

ひょっとして、事前に調査された交通量に、提示された計画・配分比を掛けると、数字的には懸念を払拭できる、問題が起こらないように見えるなどの、事業者側にとって説明しやすいストーリを作りたいのではないだろうか?という疑問を抱きました。

それで調べを進めると、

国土交通省が進めてきた『道路交通アセスメント検討会』という部会資料に次の様なことが書かれています。

資料:「道路交通アセスメント論点」の中で道路交通アセスメントの対象施設の用途・規模について、

(1) 大店立地法では、店舗面積1,000平方メートル超の大規模小売店舗とする等、立地面積や業種で対象を限定して、交通アセスメントを実施。

(2)一方、近年、内陸部での大型施設の立地が進行する物流施設については、既存の立地許可制度の交通アセスの対象外となっているが、立地後に周辺道路で渋滞を発生させるなどの課題も顕在化している。

と問題点を示し、そして今後の方向性として次のように書いています。

① 既存の立地許可制度で対象としている業種だけではなく、物流施設等も含め、一定以上の出入交通量が見込まれる他業種の施設についても、対策を強化する必要がある。

特に、渋滞への影響(周辺の主要渋滞ポイントの存在等)や周辺の土地利用状況など、各地域の特性を踏まえ、重点的に対象とすべき施設を検討する必要がある。

正に今回のGLP計画(物流施設)の問題ではないですか。

そして上記記載の大店立地法に於ける交通シミュレーションについて調べてみると、埼玉県が実施している事例として下記紹介例がありました。

[埼玉県の導入事例] (大規模小売店舗立地法のしおり)

立地後の交通の予測手法として、静的な手法(交差点需要率等による検討手法)に加え、原則として店舗面積が10,000㎡以上の店舗を新設する場合、又はその他必要と認められる場合には、県は動的交通シミュレーションによる交通の予測を求めています。
(国土交通省 道路交通アセスメント検討会資料 道路交通アセスメント制度の論点より転載)

ここで注目すべきは、大店立地法の対象となる店舗面積は1,000㎡ですが、店舗面積が10,000㎡以上の店舗には、やはり大きな交通上の問題が発生することから、交通アセスメントの対象として動的交通シミュレーションによる検証を求めていることです。

そして調べを進めると、「重要物流道路における 交通アセスメント実施のための 技術運用マニュアル」の中で、その他大店立地法の審査において動的手法を適用している自治体の紹介が掲載されていました。
資料を転載します。(
詳しくはマニュアルを参照ください。)


GLPの計画は物流施設とデータセンターの建設計画ですから、大規模小売店舗立地法(大店立地法)が対象とする施設とは異なります。
しかしながら大規模な小売店が建設されると、地域と色々な問題を発生させる可能性があるため、「交通渋滞、騒音、廃棄物等に関する事項を定め、大型店と地域社会との融和を図ることを目的」として制定された法律ですが、多くの都道府県がその運用の中で「動的シミュレーション」を求める様になって来ていることが分かりました。

大規模小売店舗立地法パンフレット
https://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.lg.jp/chushou/47a0a666f42fdd90d7b921e121c6d7fd.pdf

 私は、今回のGLPの建設計画では、静的シミュレーションではなく動的シミュレーションを導入すべきと考えています。

次回は「何故動的シミュレーション」を行うべきなのかについて考えてみたいと思います。

 

「市長への手紙」を通して市への意見、市への要望を出すことで少しでもGLP計画が改善されるように働き掛けましょう。

守るべきは「市民生活」であり、「子供たちの命」「高齢者の命」なのですから。

 

次回は
「 GLPの交通シミュレーション手法について考える_2」
ご覧ください。

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市長への手紙を書きましょう。
下記のリンクから直接送ることができます。
https://www.city.akishima.lg.jp/form/002/001.html
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